春区役①水路のヌキ掻き

2019/04/13

5時起床。調べ物、メール、日記など。

 

6時半みんな起床。

朝ごはんを食べて、8時前、今日は僕はみんなより一足先に、家を出る。

 

 

今日と明日の2日間は、年で一番大きな村仕事となる、水路仕事の日です。

この日のことを、村では「春区役 はるくやく」と呼びます。

 

 

集合して、これからみんなで山に入ります。

そう、村の中の水路ではなく、その取水元となる山に入っての、手入れなのです。

 

去年も少し書きましたが、概要を説明しますと…

 

 

僕らが住む小挾間村は、昔は水源が無く、稲作などはできない地域だったらしいのです。

それが400年位前の江戸時代に、村の人たちによって、遠く離れた山中の水源から、この地に水を通すべく、水路工事が成されたんだそうです。

 

以来、この地では稲作が出来るようになり、それを支える大事な水路の管理も、連綿と受け継がれてきたそうなのです。

 

 

山から小挾間村へと引かれた水路は、その先、下流の村落へとずっと続いていきます。

(なので、一番上流であり水路を管理してきた小挾間村は、昔はとても上の立場だったんだそうです。偉そげにしてたらしいのです。)

 

 

ということで、この辺一帯の稲作の命綱である、この水路の管理というのは、とてもとても大事な作業なのです。

 

 

今年で僕は、村へ来て4年目で、この春区役も参加4回目となります。

今年は初めて、カメラを持って行きました。

水没の危険があるので、毎年持ってかなかったんですけど、ぜひとも写真を撮りたかったので、今年は持ってくことに。

 

 

 

一番最初のスタート地点。

この洞窟みたいなのを、「ヌキ」といいます。

ここが、村に一番近い、ヌキの場所。

 

今日は、春区役のメイン作業のひとつである、「ヌキ掻き」というのをします。

ヌキ掻きとは、このヌキの中に入り、溜まった砂・泥を掻き出す作業のこと。

そうやって、水路が土砂で埋まってしまわないようにするのです。

 

 

 

水路の至るところには、水位を調整するダムのようなものがあり、それを開いて水位を下げ、ヌキの中に入っていきます。

 

 

 

ヌキに入る前、毎年恒例で、今年の作業の無事を祈り、お神酒を水路に捧げます。自分たちも頂きます。

 

「よー飲んどけ。身体あったまるけー」

 

と言って、紙コップなみなみ2杯飲まされます。

軽くデキ上がります。

このせいで沈んでしまわないか心配。。

 

 

さて、上記の写真のスタート地点のヌキは、まだなんというか現代的な感じですが、これからさらに奥へと進んでいくと、本領発揮してきます。

 

 

 

さて、森を進んでった先に、ヌキが姿を現しはじめます。

 

 

これが、400年前に掘られた、ヌキです。

もう、洞窟です。

 

ここにみんなで一列に並んで、クワを携え、おしりから入っていき、上流から下流へと土砂を掻き出していきます。

 

言わずもがな、中は真っ暗です。

ライトを点けて入ってもいいのですが、見たくもないものが見えてしまう可能性大なので、ほとんどの人は点けません。

ヌキの形状を頼りに、手探り(おしり探り)で進んでいきます。

 

 

 

スタート地点と同じように、入る前にヌキの水位を下げます。

 

 

これもスタート地点のような近代的なダムみたいなのはあそこだけで、残りはこのように、板をしっくいと呼ばれるもの(粘土と石灰と水を混ぜて練ったもの)を使って固定し、水をせき止めています。

 

叩いてしっくいを落とし、板を外していきます。

この作業のことを、戸を上げると言います。

逆に閉めるときは、戸を立てる。

 

 

よくこんなん作ったなと思います。

 

 

水路の全域で、この「戸」が、36箇所もあるそうです!

 

 

でも、毎年全部の戸を開けて、ヌキを掻いてまわる訳ではありません。

村の年配者である水路の取締り役の方々が、この日の前に見回りと計画を立て、今年手入れする箇所をあらかじめ決めておいてくれています。

 

昔は、1週間くらいもかけ、ほとんどの箇所の手入れを毎年行っていたそうなのですが、外へ働きに出るライフスタイルの現代では、土日の2日間がせいぜい。なので、順繰り行っているそうなのです。

 

 

だから、厳密に言うと、管理し切れているかというと、そうではないのです。今はそこまで出来ないので、年々土砂は溜まっていってるのが現状。

このままでは、いつかは水路が使えなくなってしまう。

 

それをどう解決していくかは、村の課題の一つなのです。

 

 

戸を開け終えると、水がこちら側にドバドバ逃げ、水路の水位が下がります。

そしたら、先ほどの入り口から入り、こちらの戸が立ててあったとこを出口として、土砂を掻いてゆくのです。

 

 

これがヌキ掻きに使う、クワです。

普通の農作業に使うクワです。みんなこれ、持ってます。

 

 

 

ひとつヌキを掻き終えると、また別の場所へ進んでいきます。

時にはロープを使って登り降りするような、サバイバルなとこもあります。

 

というか、一人だったら、絶対道わからん…

村の年長者の方は、よく道が分かるなと思います。

でも、がんばって覚えて、受け継いでいかねば。

 

 

 

次の戸に到着しました。

 

 

また、戸を上げます。

 

 

戸が上がりました。

今回は、ここから頭から入っていって、ある部分まで進み、ここにまた戻ってくるように、掻いていきました。

 

 

 

また次へ。

 

 

屋久島ばりの、道です。

 

 

こんなロープを使って登るとこもあります。

今、人がいる奥に、戸があります。

 

 

ヌキの途中には、戸のほかに、ところどころ写真にあるように、横穴があいてるところがあります。

これは、「マブ」と呼ばれるもので、戸を上げなくても、ヌキの中に入らなくても、水路の状態をチェックするためのものです。

窓、からきてる言葉らしいです。

 

 

春といっても、水はまだシビレるくらい冷たいです。

時には腰くらいまで水に浸かります。

 

ときどき、こんな風に火を焚いて暖まります。

 

 

結局、今日は4ヶ所、戸を上げてヌキ掻きをしました。

 

このように、36ヶ所ある戸の中で、一日で出来ることなんてこれくらいのものです。

昔は、もっと人数も日数もかけてやってたのに比べると、全然不十分な量しかできません。

もちろんやらないよりましですけど、土砂の堆積は年々積もっていきます。

 

まだ何十年とかは大丈夫でしょうけど、その先のことを考えると、どうにかせねばです。

 

 

もっと、若い世代の人たちで、ヌキ掻きの頻度を増やせないものかな、とか考えています。

 

 

 

今日の最後に、水路の一番始まりのところ。

川からの取入れ口のところに行きました。

 

 

こんな風にして、延々数キロに及ぶ村までの水路は、始まっているのです。

 

この取入れ口の前に堆積している土砂や石や枝などを取り除いて、本日の作業は終了。

 

 

みんなで村まで戻り、今日は解散。

明日はまた、別の作業です。

 

17時まで。

 

帰ってシャワーを浴び、子供達を保育園にお迎えに。

 

 

帰ってきて、夜ご飯。

今日は鯖のから揚げ。

 

こどもたちともう一度お風呂に入り、夜のお遊びをして、21時みんな就寝。

 

 

さてさて、明日はもう一日、春区役の作業です。

 

明日はヌキ掻きではなく、「つくろい」という作業です。

 

もう一日、がんばろう。。

 

 

 

 

 

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