ニワトリさんを捌く日
5時起床。日記など。
6時半みんな起床。
朝ごはんを食べて、ニワトリさんのお世話。

今日もニワトリさんたちは賑やかに元気です。
ただ…
よく見ると、ヒヨコたちの中に、一番最後に産まれて未熟なのか、足をケガしたのか、なんとなく動けてないヒヨコがいました。
なんか、踏み潰されそう。。
こんなとき、どこまで自然の状態に人の手を入れるか、ほんとに迷いますが、迷った結果保護することにしました。

とりあえず、お部屋へ。
踏み潰されることを危惧して保護したけど、本来はお母さんにくっついてお腹の下でぬくぬくの過ごす時期。
ひとりぼっちになって、果たして生き延びれるのだろうか…
実際、体温を求めて、ひたすらピヨピヨ鳴いてる。
それでも、手で包んでやると、少し落ち着く。
かといってずっと包んでやるわけにもいかない。
とりあえず、新聞紙を敷き詰めたダンボールの中に入れて、電気ヒーターをひっぱり出してきて、あたたかくしてやる。
無事成長してくれると良いのですが。。
とりあえずヒヨコを家に残し、9時保育園送り。
帰ってきて、10時、ちょっとお客さんが。
3月末まで、この大津留で竹細工の修行をしていた湧くんが、久しぶりに大津留に戻ってきているのです。それで、師匠の安部こういちさんと共に、僕が作っている家を見に来てくれました。
しばらく、新居の床に座りこみ、いろいろと話す。
湧くんは相変わらず、16歳にして素晴らしい見識の持ち主。
僕なんか、いろいろ自分が思っていることを、湧くんに見解を求めてしまいます。湧くんなら、どう思うだろう?と。湧くんの感覚は、とても信頼できる。と、思っています。
今、湧くんはまた旅の途中。
その途中で大津留にも一週間ほど滞在し、明日また、今度は四国のほうに足を伸ばすそうです。
いろいろ、行く先々で人に会ったり、竹細工の勉強をしながら、回っているそうです。
また先々、湧くんに再開するのが楽しみです。
こういちさんと湧くんを見送り、
お昼ごはんを食べ、13時、外出。
昨日ブログにも書きましたが、実は今日は、人生初の、ニワトリの解体を経験させてもらう日。
なんの因果か、保護したヒヨコさんの身を案じながら、ニワトリさんの解体に出向くという。。
今日、ニワトリさんの解体作業に誘ってくれたのは、同じ大津留の中尾地区というとこに住む、竹細工作家の遠藤さんです。
遠藤さんと、同じ大津留の三原さんと、僕の3人で、行います。
今日は、まずお父さんたちでニワトリさんの解体を行い、その後お母さんたちや子どもたちと一緒に料理をし、夜ごはんを一緒に食べよう、という流れです。

僕も、三原さんも、ニワトリさんの解体は初めて。
遠藤さんが教えてくれながら、進めてくれました。
ニワトリさんの足を紐で縛り、逆さに吊るします。

この状態で、ニワトリさんの首のけい動脈を切り、血抜きをします。
放血というそうです。
その作業は、今回は遠藤さんがやって見せてくれました。
今回はメスだったからか、思ったよりも、暴れないんだな…と、思いました。もちろん、オスなど、かなり暴れるニワトリさんもいるらしいのですが。
意外にも、おとなしく、なのでそっと、首を切る。
その後時々羽をバタつかせましたが、放血は進み、やがて絶命。

今回命を頂いたのは、2羽。

放血を待つ間、羽をむしる為の、湯を沸かす。
放血が終わると、このお湯に全身をつけ、羽をむしりやすくして、羽をむしり取るのだそう。
お湯の温度は、80度くらいがベストなのだそう。
80度くらいで羽がむしりやすくなり、それ以上の高温であれば目的としては良いそうだけど、あまり高温だと、ニワトリさんの身体に油を分泌する器官があって、それが固まって臭みが出るのだそう。
なので、羽が抜けやすくなり、かつその器官も固まってしまわない、80度がベストなんだそう。
ちゃんと、温度計で温度を計りました。
お湯につけたら、いざ羽をむしって行きました。
ほんとに、お湯につけると、簡単に羽が抜けました。
食べるときの見た目に関わるので、出来るだけ丁寧に綺麗にツルツルにします。(画像は割愛)

そして、いざ、解体作業に入りました。
遠藤さんが指導してくれながら、そして準備してくれた資料を見ながら、解体していきました。
意外にも、この時点になると、綺麗に解体するので必死で、危惧してた気持ちの面での心配は、どこかにふっとんでいってました。
まさに、「作業」という感じ。
やっぱり、最初は難しかったです。

三原さんと共に苦戦しながらも。なんとかお肉の解体は完了。
でもこれは慣れると、もっとスムーズに出来そう。
猪や鹿や豚も解体できる人にとっては、ニワトリさんなぞ、おちゃのこさいさいなんでしょうね。
ちなみに内臓部分は、時間の関係上、今回は遠藤さんが一人で行ってくれました。

次回は、ここの部分も、ちゃんと教わろう。。
その間僕らは何をしてたかというと…

ごはん作りです。
今日は遠藤さんの提案で、竹ごはんを作ろうということに。
孟宗竹の切ったのを遠藤さんが用意してくれてました。
これも僕は、初めての経験。

その竹を切りそろえ、ノミで一部分を欠き、そこにお米とお水を入れます。
そして切り取った部分で、フタをします。

そのまま直火にかけます。
これでふっくらごはんが出来ると。
なにも鍋的なものを持たずとも、これでごはんが炊けるとは、すごくいいなあと思いました。さすが竹。つくづく万能なんですね。

そして、嫁さんや子どもたちも合流して、みんなでお料理。
今日のメニューは、鳥にくカレーと唐揚げです。

ろくちゃんもじゃがいもをぶん投げて遊んでました。

そして、みんなで晩御飯。
なぜかなっちゃんが浮かない顔してますね…
でも、みんなで美味しくいただきました。
解体したニワトリさんは、市販のものよりも、数段噛みごたえがありました。
でも、噛めば噛むほど味が出てくるようで、僕はなんかクセになりそうでした。
それでもモモやムネやササミなどは食べやすかったです。美味。
手羽先にいたっては喰いちぎれないくらいでしたが 笑
でも、解体して、食べながら、つくづく思うのは、
お肉を食べるのって、やっぱり昔は特別なことだったんだなあとということです。
本来、育てて、殺して、さばいて、調理して… という一連の流れを通してはじめて口にするそれは、とても重みがあり、味わいもひとしおなもの。。
日常的という感じでは、ちょっとない。
ハレとケでいうと、やっぱりハレ。
現代は、その流れをすっとばして、食べる直前の状態から、関わることになる。その分手軽に食べられるようになり、恩恵も十二分に受けているが、本来一緒に頂くべき重みも味わいも、希薄になっているのも事実。
育て殺して食べるまでの、一連の流れを通して感じる「実感」というのは、人の素性を形づくる上で、とても大切なものなんだな…と、経験して改めて感じました。
そんなことを、これから徐々に、自分の日常の中にあたりまえにしていきたいし、子どもたちとも、いずれ共有できればいいな。。と、思いました。
貴重な経験をさせてもらい、遠藤さんには、本当に感謝です。。
楽しい時間を過ごし、21時帰宅。
お風呂はいって、22時みんな就寝。
今日は自分の人生の中でも、大変貴重な日でした。
またこの経験を踏まえ、これから先の自分たちの道を歩んでいきたいと思います。