風呂作り1 ここまでの経緯
6時半みんな起床。
今日はあいにくの雨模様。
朝ごはんを食べて、8時みんな出発。
僕は今日から、先日お世話になった杵築の左官さん、稲吉さんに来てもらい、教えを請いながら、風呂づくりに取り掛かります。
今回、僕が作ろうとしているお風呂は、いわゆる、五右衛門風呂です。
風呂釜の形は四角だけど、鋳物の風呂釜を、下から直火で直接温めるやつです。
正直、お風呂については、どんな形にするか、相当悩みました。
お風呂と、それに付随する給湯設備について。
ここまでの経緯について少々…
当初は、五右衛門風呂というか、いわゆる在来工法のお風呂は、却下してました。
■理由1:コンクリートやブロックを使うから。
単純に、なるべく土に還らないものは使いたくない。
という思いから。
■理由2:伝統構法の家の仕組みと矛盾するような気がしたから。
今の時代、家づくりの主流といったら、ガッチリと色んなもので補強して、地震の力から耐える「耐震」という考えのもと、つくられてると思います。
それに対して伝統構法の家は、突っ張らずに逆に揺らして地震の力を逃す「免震」、という考えのもとつくられてると認識してます。
その「免震」を成り立たせる要素として、木組みや土壁による構造上の粘りとともに、”地面と繋がってない” ということも、含まれているんじゃないかと、僕は認識してます。
だから、耐震の建物のようにコンクリートの基礎を打ってそこに土台をボルトで連結させるのと違い、伝統構法の建物は、柱が石の上に ”乗っかってる” だけ。その他は全部、浮いてる。
なので、地面から立ち上げる在来のお風呂は、なんかしっくりこなかったのです。
それならば、ユニットバスのほうが、建物に引っ掛けて地面から浮かせて施工することが可能なので、相性が良いのでは?
と思ったりもしました。
(ユニットバスも、土に還らないものたくさん使うのにね。結局そこが納得いかず、一時ユニットにしようかと思ってたのもやめました)
■理由3:火を焚く場所が多すぎて無駄が多いような気がしたから。
僕がつくってる家の設備としては、薪ストーブはマスト。
それに薪キッチンもマスト。と考えてます。
それに風呂も… となると、焚くとこが多すぎて、なんか無駄が多いような気がしたのです。(薪ボイラーもしかり、ですね)
なので、なんとか薪ストーブに給湯機能を持たせたらないものか…
と、画策したりもしました。(今も画策してますが…)
と、以上3つのようなことと、その他太陽熱温水器なども合わせて考えながらも、
なかなか「これだ!!」というアイデアが見つかってませんでした。
それでもやっぱり、総合的に考えると、直焚きのお風呂なのかなあと、思っていました。あったかそうだし、電力使わなくていいし。
ほんとはなんかこう、もっと軽やかな感じの風呂にしたいなと思ってたんですけど。
(それはまあ、この先への課題、ということで。)
それに、直焚きの風呂も、一度は作り方を経験しておきたい、というのもありました。
とはいえ、直焚きの風呂の作り方なんて、さっぱり分からん…。
という状態のときに、いつもお世話になってる伝統構法のみのはら大工さんと、ばったりホームセンターで会いました。
そのとこ世間話をしていて、何気なく「今お風呂をどうしようか悩んでて。直焚きの風呂にしようかと思ってるんですけど…」
と、話したことがはじまりでした。
「それならいい人がいるから、聞いてみたら?」
と言ってくれ、その場で取り次いでくれました。
それが、杵築にお住まいの、熟練の左官さん、稲吉さん。
そして、何回か稲吉さんとお話をし、準備を整え、
いざ今日という日を迎えました。
今日から、未体験のお風呂作り。
しっかりと習いながら、経験していきたいと思います。
さて、前置きが長くなりましたが、今日の作業。
まずは、お風呂にする空間の「墨出し」。
風呂釜のサイズや、脱衣所の床高さなどを元に、これから組み上げていく炉の位置や高さを決めていきます。
その際、実際火を焚くとこのサイズや、そこから風呂釜までの高さ。
煙道(煙がまわるとこ)のサイズ。などなど。
そういった、良い炉を作るためのキモが分かってないと、墨出しすらできません。
稲吉さんは、経験からそういった数字が頭にあるようで、次々と決めていきます。
でも、数字だけじゃなくて、その場独自の按配を、「勘」で調整していくことも、とても大事なんだそうです。
説明しながらやってくれるけど、ぼくはまだあまり絵が浮かんできません。
追い追い、カタチになってきながら、理解できるとよいな。
墨出し完了後、それにのっとり、作業を進めていきます。
まず、「焚き口」をつくる際に、干渉する土台の石を、切りました。
結構固し。でした。
次に、直焚きの風呂をつくる為には、今の下がすっぽんぽんの現状を、塞がなくてはいけません。
コンクリートブロックを使用して、塞いでいきます。
(この、「ガッチリ感」が、こういった風呂をつくるのを躊躇していた原因だと思います。意固地だけど、できるだけセメント系は使いたくなかった。こういうのが、「土」を利用して出来ないかなあと夢想していたけど、今回はこれで進んでいかざるを得ません。100% 納得ではないけど…。でも代替え案思い浮かばないし、これもひとつの経験として必要なことだと、割り切ってすすんでいこう!でもやっぱり、いつかベストの風呂を思いつくよう、模索していきたい。)
そういう、「何を使って作るか」という問いは別にして、
稲吉さんは、さすがその道一筋、というような、技と考え方を、随所に見せてくれました。
僕はほんとに、感嘆しきり。
何度も言うようですが、使う素材の問いは別にして、すごく勉強になることがいっぱいです。
土台の下が、どんどん塞がれていきます。
まあでも、僕が懸念していた躯体と地面との「連結」とは、ちょっと違うようです。あくまで、「塞ぐ」という表現が、しっくりくる。
ある意味少し、安心。。
この内側に、火を焚くとこを作り、風呂釜を乗せ、洗い場などをつくっていくのです。
今日はあいにくの雨の中の作業でした。
でも、着々と進んでいきます。
下を塞ぐだけでも、お風呂の感じがしてきました。
どんな風につくっていくのか、これから楽しみです。