刻み 〜きざみ〜2
冬もいつの間にか過ぎ去ろうとしています。なかなかサクサクとはいきませんが、コツコツと、刻み作業を続けています。
最初のほうは、終わったものが分かるよう、こんなノートを付けてました。
作業が進むにつれ、色々な切り込みを体験しました。
↑これは、下梁に大引をかける為の ”蟻掛け” が含まれた部材です。
↑これは、”渡りあご” と呼ばれる組手の一種です。
材と材が交差するように組み合う継手です。
中でも難しかったのが、”金輪継ぎ” と呼ばれる継手です。
↑このように加工されたもので、梁や桁など、2本の材を繋げて、1本の材として使用する(強度を持たせる)ものです。
墨付け時はこんな感じ。
それがこうなり…
こうなります。
うまく加工できていれば、本当にガッチリです。
昔から伝わる技術は、ほんとにすごいなと、感嘆します。
そして、継手や仕口の切り込みと共に、”ちりじゃくり” なるものも材に刻んでいきます。ちりじゃくりとは、のちのち土壁を施工した時に、壁に塗った土が痩せて、すきま風が入り込むのを防ぐためのもの。溝を掘ることにより、そこに土が入り込み、痩せても隙間が出来なくなります。
”ミゾ切りカッター” というものを使って掘ります。
ほんとに、便利な道具がたくさんあることに、驚くばかりです。
さらに下の写真は、
”電動チェーンのみ” と呼ばれる道具で、これは柱に通る ”貫穴” を掘るのに使いました。
こうやって材に挟み、足で押さえて使います。
これも使うとスピードがグンと上がります。
さあ、設定した棟上げ予定日まで、あと1ヶ月ほどです。
かなり危ういペースですが、そこはもうなんとか間に合わせられるように、スパートを掛けたいと思います。