大工の血を入れる
先日、基礎工事が完了してから、約1ヶ月間。
以前から可愛がってくれている大工さんの元に、”修行” に行っていました。
正確には、大工さんの現場におじゃまさせてもらって、設計に関することを聞いたり、ノミの研ぎ方やノコの挽き方、加工の仕方など、大工の本当に初歩のいろはを教えてもらっていました。仕事を手伝っていたわけではないので、もうほんと、大工さんにとってはお邪魔虫です。それでも見放さず付き合ってくれて、本当に本当に感謝しています。
なぜそんな時間を過ごすことになったか。
経緯を説明すると、結論から言えば、タイトルにもある ”大工の血” を自分の中に入れる必要がある。と、感覚的に感じたからです。
基礎工事が終わり、さあ、いざ上物を。。
といっても、実際には、建築はほとんど素人な僕です。
まして、僕らの取った選択は、
現代の在来工法(コンクリの基礎、プレカットの木材、金物で補強、石膏ボードの壁 など)で家をつくるのではなく、
伝統構法と呼ばれるもの(石場建て、木組みによる構造、土壁)で家をつくるというものです。
木材をすべて手刻みによって加工し、それにより作られる仕掛け(仕口と呼ぶ)によって、木材を組み、構造体を構築するという構法です。
いわゆる、昔ながらのつくりかたです。
大工技術に限っていえば格段に難易度は上がります。
一朝一夕で習得できる技術ではもちろんないのですが、
暮らしにまつわることはなるべく自分の手でやってみたい。というのと、
どれくらいの難しさかはほんとにやってみなければ分からない。という思いから、一度は自分で1から10までやってみようと決めました。
そうすればその後、また自分で次のものをつくるときにも、人に伝えるときにも、”さじ加減” が出来るようになりますからね。
1ヶ月で、何が出来るようになった訳ではありませんが、それでも、とてもとても有意義な時間でした。まがりなりにも、自分の中での気持ちの準備は整ったような気がします。改めて、お世話になった、小野大工さん、ともさんに、感謝です。
さあそして、いよいよ木材搬入。”墨付け” の作業へと入っていきます。