刻み 〜きざみ〜佳境
いよいよ棟上げまで、1週間を切りました。
作業は佳境に入っており、棟上げに向けてラストスパートをかけています。
まずは、これまで刻んだ主要となる部材を引っ張り出し、最終チェック&微調整を行いました。
材を地面に置き、継手や仕口などを実際に組み上げ、接合部の正確さ、きつさ、接合した後の全体の長さなど、チェックし、悪ければ微調整をしていきます。
ここが、綺麗に建ち上がるかどうかの最後の砦です。
この工程では、お世話になっている大工さん、佐藤ともさんに手伝ってもらいました。
このように、ピッタリと収まることを目指します。
でもほんと、ここで「長年の経験で培った、大工の技術の粋」を、まざまざと目の当たりにすることになりました。
ここまで、自分で勉強して、人に聞いて、やってみて、なんとか自分の手で進めてきましたが、この工程では、たぶん自分の手だけでは、こんなに綺麗な調整は出来なかったと思います。
例えば、材を組んでみて、少しうまく付かなかったとします。
その際に、どこをどう調整すればピタっといくかが、瞬時に分かるんですね。
自分だと、それがなかなか分からないんです。
検討違いな調整をしてしまうと、ますます具合が悪くなってしまいますからね。
そして実際に、「ノコの刃1枚ぶん」とかいう微妙な調整をほどこし、ピタっとくっつけてしまうんです。
もうほんとに、脱帽でした。
でも、この工程を一緒にしてもらうことにより、棟上げを迎えるにあたって、かなり安心感が出てきました。
一番避けたいのは、当日うまく組めず、ストップしてしまうことですからね。
なんとなく、最悪なことは無いんじゃないかなと、思えるようになりました。
さあでも、まだまだやることはたくさんあります。
まずはコミ栓の用意。
元になる、樫の木(カシノキ)の材です。
硬い材質なので、コミ栓に使うのに向いています。
土壁の練習に行かせてもらったり、その後アドバイスをたくさんもらっている、染谷建築さんに頂きました。
使う箇所別に、長さが違ったり、少し形状が違ったりするので、分けてまとめておきます。
これは下梁を支える、束です。こちらが、さきほど調整作業で大工の凄さを見せてくれた、ともさんです。
昔から可愛がってくれている、小野棟梁も駆けつけ、加勢してくださいました。
今回刻み作業に入る前に、僕が1ヶ月間修行させてもらった棟梁さんです。
言ってみれば、一番最初から見てくれている大工さんです。
出番を今か今かと待つ部材たち。
泣いても笑ってもあと数日、悔いのないよう、がんばろうと思います。