解体完了
先日(といってももう一月くらい経ちますが)、やっとのことで解体作業が終わりました。
瓦を降ろし…
下地は竹でした。
土壁を剥いでいきます。
解体業者に頼むと、ガスン!バタン!ドカドカっ!っとすぐ終わるんでしょうけどね。それではね…。費用もかなりかかりますし。 使えるものはなるべく再利用したい、造りがどうなっているのか知りたい、手作業でどれくらいの労力なのか知りたい、少しでも解体技術の習得になれば。などなどの理由で、手作業で丁寧に壊していきました。
結果、手を動かしながら考えることで、どんなものを作るべきかということを腑に落とすための、とても有用な時間になりました。
それにしても、頑丈…。土はなかなか剥がれないし、編んだ竹(竹小舞という)はなかなか壊れない。なんというか、ねばり強い…。今の家よりも、よほど頑丈な実感を受けました。そしてほんとに、自然のものだけで出来ている。木、土、竹。
この風景の中で、土を耕したり、こういったものだけで出来た家を見ていると、時折出てくる釘すらも、とても異物のように感じてしまいます。ましてビニールや、コンクリのガラや、様々なプラスチック製品や…。これ、どこに捨てるの?って感じです。この風景の中の、どこにも捨てたくないって、思います。
逆に自然の中から生まれたものは、どう捨てても、どこに捨てても、全然気が咎めません。なぜなら、それが朽ちて土に還るイメージがすんなり湧くから。人が作ったいわゆる製品的なものは、いつまでもそこに留まるイメージ。全然循環しないって、感覚的に思う。
でも、都市に暮らしてると、そういったものに囲まれていて、逆に土や植物が珍しい。田舎と都市と、その比率が逆転してる。循環しないものは、使ってるうちはいいけど、それが果てはどうなるのか、ゴミ箱などに”捨てる”行為をした時点から先は、もう見えなくなる。それが現代。
ひとにぎりの土の中に混ざったビニールのかけらを見ながら、大量のゴミがどこに行くのか考えて、末恐ろしくなった。今までなんとも思ってなかったけど、初めて感じた、リアルな実感だった。
はい、余談でした。
だいぶスッキリとしてきました。竹は使えるかなーと探ってみたけど、再利用はパスしました。竹は、そこらじゅうに生えてるから。でも傷んでるとこもあったけど、土壁の中の竹は、かなりしっかりしてました。100年近く、少なくとも50年以上は経ってる建物なんだけども。すごいな。
棟"下げ"。 すみませんここからは重機使います。
立派な梁。状態のいいものは、保管してます。すでに仕口がつくられているので、新しく建てる家に利用は難しいかもしれないけど、何かに使えればいいな。
もうひといき…
やりました。無くなりました。
裏手は斜面になっており、下には河が流れています。
対岸のよい景色が、あらわになりました。
お疲れ様でした。
ここからはいよいよ、家の位置を決め、基礎工事に入っていきます。
土に還せないものたち。