墨付け開始〜経過
先日の木材搬入後、コツコツと墨付け作業を行っております。
経過報告を、少し。
搬入された木材を、種類別に納屋に収め、いよいよ墨付け開始です。
墨付けの際、使う道具はこの方たちになります。
左から、
・差し金
・墨つぼ
・墨さし
墨つぼの中に綿が入っており、そこに墨汁を入れ、墨さしをちょちょんと付けながら墨を引いていきます。
こういう風な線や印をつけていきます。
ノコで落とすところ、残すところ、中心線、穴を掘るところ、穴の深さ、など、あとあと刻み作業を行うときに必要な情報を、すべて書いていきます。
でも、余分な線はつけずに、必要最低限で。
それでいて、誰が見ても一目で分かるように。
慣れるまでは、とてもむずかしいーーーー!!!
墨を引く位置はもちろんのこと、線の太さや綺麗さも、仕上がりに大きく左右します。
差し金でなんどもなんども確認し、慎重に真剣に、墨を引いていきます。
そしてさらにこの墨付け作業時に必要なのが、
これです。図板(ずいた)と呼ばれるものです。
加工する部材に重複や抜けを無くす為と、どういう墨の付け方をしたかなどの情報を、墨を付けた箇所から順に、書き記していきます。
この図板も、足固めとなる下梁、上部の桁梁、母屋と小屋束、といったように、
階層ごとに書くので、数枚は用意することになります。
そしてさらに、大事なものを用意します。
これは、尺杖(しゃくづえ)と呼ばれるもので、何度も出てくる基準の寸法を、あらかじめ1本の棒に、印し落としたものです。
いちいち差し金やメジャーで計っていると、やっぱり微妙な誤差が出てきてしまうので、それを無くす為、基準の寸法を取るときはこの尺杖を当てて取ると、統一します。
こういう形で、墨付け作業を行っています。
墨付け終わった材は、こういう風にどこの箇所か分かるようにして、また小積み直しておきます。
これは下梁の材。柱が差さってくるホゾ穴の墨や、大引が掛かるとこの欠ぎなどが書いてますね。
↓そしてこれは墨付け作業が少し進んだ頃に、大工さんが貸してくれたのですが…、
カーペンターと呼ばれる道具です。
1寸の幅のホゾやホゾ穴の墨を付けるのに使ったり、7分の貫穴を付けたりするのに使います。
これがあると、格段にスピードが上がりました。
こうやって、材を挟んで使います。
色んな道具がありますね。
ほんとやってみて、大工さんの凄さが、身にしみて分かります。
今回僕の場合、綺麗に製材された真っ直ぐの材を使いますが、これが自然のままの形の材を相手にするとなると…
ほんとに、大工さんは頭が良くないと出来ないなと思います。
ちなみに、素人の僕が、この墨付け作業のときに、大いに参考にしている本があります。
この本です。この本はとても丁寧に、加工する仕口や継手のことが書いてあります。
この本と、とにかくにらめっこ。
どうしても分からないとこは、大工さんの元に走る。
そうやってなんとか、素人でも進められています。
作業は夜な夜なすることも。
そういえば、初めは全然感覚がつかめなかった「尺・寸」でとらえる寸法も、だいぶ慣れてきました。
先は長いですが、おもしろいですね。
楽しんでやろうと思います。